【徒然草 現代語訳】第三十六段


神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。

原文

久しくおとづれぬ頃、いかばかりうらむらむと、我がおこたり思ひ知られて、言の葉なき心地するに、女のかたより、仕丁やある、ひとり、などいひおこせたるこそ、ありがたく嬉しけれ。さる心ざましたる人ぞよきと、人の申し侍りし、さもあるべきことなり。

翻訳

長らく訪わずにいて、さぞや女も怨みに思っているだろうなと、己の横着が思い知らされて、弁解の言葉もない心地のしている折、件の女から、下働きの男はおりますか。いるなら一人寄越して、とか云ってくるのは、不意を突かれたようで嬉しいものだよ。そんな心憎い思いやりを持った女が出来た女というものだ、と或る方が仰られたのは、ごもっともと思われる。

註釈

○仕丁
じちょう。下僕のこと。


ずいぶんとお見限りなのは、取り次ぎ役の下僕が(辞めちゃって)いないからですかぁ?

八代亜紀の歌に出てくるよーな女ですね。
怨み言は可愛く云わなくちゃ。
とゆーより、女にそこまで思わせる(云わせる)男でなくちゃ、とゆーことでしょうな。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です