【徒然草 現代語訳】第九十五段


神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。

原文

箱のくりかたに緒をつくる事、いづかたにつけ侍るべきぞと、ある有職の人に尋ね申し侍りしかば、軸につけ、表紙につくる事、両説なれば、いづれも難なし。文の箱は、多くは右につく。手箱には軸につくるも常のことなりと仰せられき。

翻訳

箱の両脇にある穴に紐をつける際には、左右どちらにつけるのがよろしいのでしょうか、とと或る有識者にお尋ね申し上げたところ、軸側つまり左につけるべきという説と、表紙側つまり右つけるべきという両説があるので、どちらにつけても構わない。文箱の場合はたいてい右に、手箱は左につける、これもまた常識である、と仰った。

註釈

○軸
巻物の左側が軸ゆえ、左側のこと。

○表紙
軸同様、巻物の右側が表紙ゆえ、右側のこと。


昔は給食も「三角食べ」といって、食べる順番が決められていましたね(ちょっと違うけど)。


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