【徒然草 現代語訳】第二百三十三段


神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。

原文

萬のとがあらじと思はば、何事にもまことありて、人をわかずうやうやしく、言葉すくなからむにはしかじ。男女、老少、みなさる人こそよけれども、ことに、若くかたちよき人の、ことうるはしきは、忘れがたく、思ひつかるるものなり。

萬のとがは、なれたるさまに上手めき、所えたるけしきして、人をないがしろにするにあり。

翻訳

何事においても粗相のないようにと思うなら、何をするにつけても誠意を持ち、区別差別をせず礼儀正しく控え目で、言葉は極力慎むに限る。男も女も、老いも若きも誰も彼もがこうなら越したことはないのだが、わけても年若く見目麗しい人の言葉遣いが十全なのは、いつまでも記憶に残り、折に触れ思い出してしまう。

あらゆる落ち度は、いかにもものなれた風に知ったかぶり、得意顔をして人を小馬鹿にする態度から起こるのだ。

註釈



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