
神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。
原文
よき細工は、少しにぶき刀をつかふといふ。妙観が刀はいたくたたず。
翻訳
腕の立つ細工人は、いささか鈍めの刀を使うと云われる。妙観の刀は、さほど切れ味がよろしくない。
註釈
○妙観
摂州勝尾寺の本尊十一面千手観音像で名高い奈良時代末の名工。
切れ味の悪い庖丁くらい始末に負えないものはありませんね。
追記
庖丁を研ぎ終えると、妙な恍惚感に包まれる私です。