【徒然草 現代語訳】第二百十二段


神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。

原文

秋の月はかぎりなくめでたきものなり。いつとても月はかくこそあれとて、思ひわかざらむ人は、無下に心うかるべきことなり。

翻訳

秋の月くらい妙妙たるものはない。いつ観ても月なんざどれも似たり寄ったりと、他の季節の月と見分けがつかないような人は、心底お気の毒様としか云いようがない。

註釈


「古今和歌集」には1111首の歌が収録されていますが、その内月を詠んだ歌は40首。
「新古今和歌集」にも同じく1111首(定家本)の歌が収録されていますが、その内月を詠んだ歌は287首。
新古今の歌の約1/4は月の歌なんですよ!これは由々しきことで、一種の流行とだけで済まされる問題ではないと思います。
以下略。

追記

個人的には「冬の月」が好きですね。


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