
神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。
原文
秋の月はかぎりなくめでたきものなり。いつとても月はかくこそあれとて、思ひわかざらむ人は、無下に心うかるべきことなり。
翻訳
秋の月くらい妙妙たるものはない。いつ観ても月なんざどれも似たり寄ったりと、他の季節の月と見分けがつかないような人は、心底お気の毒様としか云いようがない。
註釈
「古今和歌集」には1111首の歌が収録されていますが、その内月を詠んだ歌は40首。
「新古今和歌集」にも同じく1111首(定家本)の歌が収録されていますが、その内月を詠んだ歌は287首。
新古今の歌の約1/4は月の歌なんですよ!これは由々しきことで、一種の流行とだけで済まされる問題ではないと思います。
以下略。
追記
個人的には「冬の月」が好きですね。