【徒然草 現代語訳】第五十七段


神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。

原文

人の語り出でたる歌物語の、歌のわろきこそ本意なけれ。少しその道知らむ人は、いみじと思ひては語らじ。
すべていとも知らぬ道の物語したる、かたはらいたく、聞きにくし。

翻訳

誰かが歌について一席ぶっている時、そこで取り上げられた歌の出来がまずかったりするのは、心底がっかりしてしまう。ちょっとでも歌の心得のある者なら、まずそんな歌は俎上に載せたりしないもの。
何につけ、半可通で一丁噛みに過ぎないことをしたり顔で語っているのは、噴飯物で、とても聞いちゃいられない。

註釈


自戒の念をこめて折々に思い出す段です。

追記

先日郵便局で、息子さんが無事志望大学に合格した方に、ご友人の方が「これで○○君の人生、じゅんぷうまんぽ」だねー」、と仰っているのを耳にして、順風満帆を「じゅんぷうまんぽ」と読み覚えている人がまだいるんだなぁと妙に感心してしまいました。


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