【徒然草 現代語訳】第六十二段


神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。

原文

延政門院いときなくおはしましける時、院へ参る人に御ことづてとて申させ給ひける御歌、

ふたつもじ牛の角もじすぐなもじゆがみもじとぞ君はおぼゆる

こひしくおもひまゐらせ給ふとなり。

翻訳

延政門院がご幼少のみぎり、お父様であられる上皇の許へ参内する人に言伝てとしてお詠み申し上げた歌、

ふたつ文字(こ)牛の角みたいな文字(い)真っ直ぐな文字(し)ゆがみ文字(く)父君のことが思われます

恋しくてたまらないお気持ちを歌に託して申し上げなさったということだ。

註釈

○延政門院

後嵯峨上皇の第二皇女悦子(えつし)内親王。上皇四十歳の時にご誕生。


なぞなぞ歌。う~ん、ラヴリー??
徒然草にはこんな愛らしい段もあるんですよ。知っておいてくださいね。

出産ネタの後に幼児話。心憎い配列です。

追記

こういう歌に、どーせ大人の代筆でしょ、とか云う無粋な人は嫌いだな。


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