【徒然草 現代語訳】第六十五段


神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。

原文

この比の冠は、昔より遥かに高くなりたるなり。古代の冠桶を持ちたる人は、はたをつぎて、今用ゐるなり。

翻訳

今日びの冠は、昔と比べてうんと高くなっている。よって、古い冠桶しか持ち合わせていない人は、縁を継ぎ足して使っているのである。

註釈

○冠
読みは「こうぶり」。

○冠桶
こうむりおけ。冠をしまっておく箱。


マリー・アントワネットは堆く結い上げた髪型が好みで、どんどん盛ってしまいには髪の中に花瓶を結い込んで薔薇を活けたり鳥籠を載せたりしていたそうです。
この段を読むといつも思い出します。


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