【徒然草 現代語訳】第十三段


神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。

原文

ひとり燈のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とするぞ、こよなうなぐさむわざなる。

文は、文選のあはれなる巻々、白氏文集、老子のことば、南華の篇。この國の博士どもの書けるものも、いにしへのは、あはれなること多かり。

翻訳

独りの夜、燈火の下で書物を広げ、会うことのかなわぬかつての文人たちを友とするのは、何ものにも替えがたい慰めとなる。

書物と云えば、文選の味わい深い巻々、白氏文集、老子、荘子の言葉等々。本朝の学者たちのものした書物も、昔のものには感じ入ることが多々ある。

註釈

○文選(もんぜん)
春秋時代から六朝時代にかけての詩歌、散文を集めた書。

○白氏文集(はくしもんじゅう)
白楽天の詩文集。

○南華の篇
荘子の書。


この段は、肝に銘じています。


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