【徒然草 現代語訳】第百八十七段


神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。

原文

萬の道の人、たとひ不堪なりといへども、堪能の非家の人にならぶ時、必ずまさる事は、たゆみなく慎みて軽々しくせぬと、ひとへに自由なるとのひとしからぬなり。藝能所作のみにあらず、大方のふるまひ、心づかひも、おろかにしてつつしめるは、得の本なり。たくみにしてほしきままなるは、失の本なり。

翻訳

あらゆる道において、玄人はたとえ下手であっても、玄人はだしの素人と並んだ時、必ず勝っている、これは玄人というものが精進を怠らず慎重でその道に対する敬意を片時も忘れないのに対し、素人はもっぱらやりたい放題に振る舞うのとの大きな違いによる。なにも芸能、所作に限った話ではない、常常の行動や心遣いに関しても、愚直なまでに控え目にというのが上首尾の基本、巧いからといって勝手気儘にやるのは過失の本である。

註釈

○不堪
ふかん。未熟。

○堪能
かんのう。熟練。


私の認識では、その道で生計を立てている人が「プロ」、生計が立てられていない人は全員「アマチュア」です。


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