
神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。
原文
世の人あひあふ時、暫くも黙止することなし。必ずことばあり。そのことを聞くに、多くは無益の談なり。世間の浮説、人の是非、自他のために失多く得少なし。これを語る時、たがひの心に無益の事なりといふことを知らず。
翻訳
俗世間で人と人が顔を合わせたら、一寸の間も黙っているということがない。必ず言葉を交わす。何を喋っているのか聞くともなしに聞いてみれば、大半は益体もない無駄話だ。くだらない噂話、誰それに対する批評、そんな中味のない話をしたところで、自分のためにも他人のためにも失うものばかりで得るものはまずない。その上、喋っている当人たちは、役に立たないことを知らないのだからなにをかいわんやである。
註釈
○黙止する
読みは「もだする」。
○無益
読みは「むやく」。
冒頭を「Twitterで人が何か呟いたら」に置き換えれば、以下はまんま今に通用しますね。