【徒然草 現代語訳】第四段


神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。

原文

後の世の事、心にわすれず、仏の道うとからぬ、こころにくし。

翻訳

来世を願うことを片時も忘れず、仏道に寄り添って生きる人は、奥ゆかしく品がある。

註釈


当時、こう思っていない人はまずいなかったでしょう。
それを敢えて一行で書き記したことからも、自戒の意味合いが強く感じられます。
小学生が努力目標を机の前に張る感じですね。

時に兼好法師は神職の家に生まれています。
「方丈記」を遺した鴨長明も、禰宜の家柄の出でした。
三大随筆の内の二つまでが、神職に連なる家柄の者によって出家後に書かれたことになります。
この辺りのことは、随筆という文芸形式を含め、日本の文化における神と仏の立ち位置を考える上でなかなか興味深いものがあります。


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