【徒然草 現代語訳】第百四十九段


神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。

原文

鹿茸を鼻にあてて嗅ぐべからず。ちひさき虫有りて、鼻より入りて脳をはむといへり。

翻訳

鹿茸を鼻にあてて匂いを嗅いではならない。中に小さな虫がおり、鼻から侵入してやがて脳味噌を喰ってしまうということだ。

註釈

○鹿茸
ろくじょう。生え変わった鹿の新しい角。乾燥させ強壮剤となる。


鹿の角は三日で1センチ伸びるそうです。

追記

「日本書紀」にも推古天皇の御世に鹿茸を採取する記述があり、あの激動の時代、皇族の方々がいかにお疲れ(もしくは色好み)だったかを偲ばせます。


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