
神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。
原文
鹿茸を鼻にあてて嗅ぐべからず。ちひさき虫有りて、鼻より入りて脳をはむといへり。
翻訳
鹿茸を鼻にあてて匂いを嗅いではならない。中に小さな虫がおり、鼻から侵入してやがて脳味噌を喰ってしまうということだ。
註釈
○鹿茸
ろくじょう。生え変わった鹿の新しい角。乾燥させ強壮剤となる。
鹿の角は三日で1センチ伸びるそうです。
追記
「日本書紀」にも推古天皇の御世に鹿茸を採取する記述があり、あの激動の時代、皇族の方々がいかにお疲れ(もしくは色好み)だったかを偲ばせます。