【徒然草 現代語訳】第百五十八段


神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。

原文

盃のそこをすつることはいかが心得たると、或人の尋ねさせ給ひしに、凝當と申し侍るは、そこに凝りたるをすつるにや候らむと申し侍りしかば、さにはあらず。魚道なり。流れをのこして、口のつきたる所をすすぐなりとぞ仰せられし。

翻訳

「盃の底に残った酒は捨てるであろう?あれをなんと云うか知っておるか?」と、あるお方がお尋ねになられたので、「凝当と申したかと存じますが、あれは底に凝ったものを棄てるという意味でございましたでしょうか」とお返事申し上げところ、「いや、そうではない。あれは魚道と云うだ。魚のひそみにならい残った酒で口をつけた跡を清めるのである」と仰られた。

註釈

○凝當
ぎょうとう。

○魚道
ぎょとう。


へー、って感じ。
ちなみに「凝濁(ぎょどう)」と充てることもあるらしーっすよ。

追記

ビールの泡を舐めることを英語で「licking beer foam」と云うそうですね。lickingって殴ることかと思ってました。


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