【徒然草 現代語訳】第二百九段


神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。

原文

人の田を論ずるもの、うたへに負けて、ねたさに、その田を刈りて取れとて、人をつかはしけるに、先づ道すがらの田をさへ刈りもて行くを、これは論じ給ふ所にあらず。いかにかくはといひければ、刈るものども、その所とても刈るべきことわりなけれども、僻事せむとてまかる者なれば、いづくをか刈らざらむとぞいひける。ことわり、いとをかしかりけり。

翻訳

他人の田を巡って裁判を仕掛けた者が、訴訟に負けた悔し紛れに、「あそこの田圃の稲を刈ってしまえ!」と家来を遣わした、ところが命じられた者たちは行く道すがらの田圃の稲まで刈りながら進んでゆくではないか、「おいおい、そこは訴えを起こされた田圃じゃないぞ!なんでまたそんなことをするんだ!」と誰かに止められたので、刈っていた者共は、「刈ってこいと云われた田圃にしてからが刈ること自体そもそも筋違い、どっちみち無法者として参上する我らなら、どこの田圃を刈ろうと大差ありませんよ」と答えたそうだ。いやはや実に愉快な理屈であった。

註釈


訴訟に負けたご主人様を西川のりおで、ぜひ漫才やってもらいたいです。

追記

のりおのオバQ、また観たいなー。


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